年男

僕の産まれた日は
月が綺麗に輝いていたそうです


前の日の夕方にテレビでやっていた
ボクシングを父と一緒に見ていて
ちょっと疲れたので横になっていたら、
いきなり石油ストーブがうわーっと燃え上がり、
びっくりしたら急に陣痛が来たと
よく母が話してくれました


日付が7日に変わる頃、いよいよ耐えられなくなって
近くの産院に父と歩いて行ったそうですが
その時、父は平静を装いながらも
つっかけたサンダルが左右違う物だったそうです


途中、何度もうずくまり苦しいながらも
父の姿に笑いそうになり
近道の神社の参道でふと見上げた夜空に
大きな月がキラキラと輝いていて
なんとも穏やかな気持ちになったそうです


それから48年


いくつになってもいろいろと心配してくれる両親


若い時は子供扱いしないでほしいと思った時もあったけど
心から感謝し、心から尊敬します


僕を産んでくれてありがとう
愛情いっぱい育ててくれて
ホントにありがとう


そがやすひさ